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保険金の受け取りに税金はかかる?課税対象や控除についてFPが基礎から解説

保険金の受け取りに税金はかかる?課税対象や控除についてFPが基礎から解説

生命保険で保険金や給付金を受け取ると、税金を差し引かれる場合があります。税金のために受取金額はどの程度減るのか、なるべく税金の負担を抑える方法はないかが気になる人も多いのではないでしょうか。この記事では保険金にかかる税金について知っておくべきことを解説します。

2021.10.05 生命保険

受取に税金のかかる保険金

生命保険で受け取る保険金や給付金の中で、課税対象になるものを見ていきましょう。保険で受け取るお金にかかる税金の種類は、契約形態によって異なります。契約形態とは、保険の契約者、被保険者、受取人の関係のことです。

死亡保険金

被保険者の死亡により受取人に支払われる保険金が、死亡保険金です。死亡保険金にかかる税金の種類は、契約形態によって次のようになります。

死亡保険金にかかる税金の種類
契約形態 税金の種類
契約者=被保険者
例)契約者:夫
被保険者:夫
受取人:妻
相続税
契約者=受取人
例)契約者:妻
被保険者:夫
受取人:妻
所得税
契約者≠被保険者≠受取人
例)契約者:妻
被保険者:夫
受取人:子
贈与税

満期保険金

養老保険などが満期になり、被保険者が生存している場合に受け取る保険金が満期保険金です。養老保険には死亡保険金もあり、死亡保険金と満期保険金の受取人はそれぞれ指定します。満期保険金にかかる税金の種類は契約者と受取人の関係によって決まります。

契約者と受取人が同じ場合

養老保険の契約者と満期保険金受取人が同じ場合、満期保険金には一時所得として所得税がかかります。

契約者と受取人が違う場合

満期保険金の受取人と契約者が違う場合、契約者から受取人への贈与とみなされ、贈与税がかかります。

保険期間5年以内は源泉分離課税

一時払い養老保険などで保険期間が5年以内のものは金融類似商品とされ、一般の養老保険と税の扱いが異なります。満期保険金に対し20.315%の源泉分離課税が適用され、他の所得とは合算されません。保険金受け取り時に税金が差し引かれ、納税が完了します。

解約返戻金

終身保険のように貯蓄性のある保険を解約したときに戻ってくるお金のことを、解約返戻金といいます。解約返戻金は保険の契約者のお金です。そのため、解約返戻金には一時所得として所得税がかかります。

また、保険期間5年超の契約を5年以内に解約した場合、源泉分離課税の適用対象となります。ただし、一時所得、源泉分離課税いずれの場合も、課税対象となる所得は解約返戻金そのものではありません。解約返戻金が支払った保険料の累計を下回る場合、課税の対象外となります。

年金保険金

個人年金保険の保険料の払い込み終了後に、一定期間または一生涯にわたって年金形式で受け取るお金を年金保険金といいます。年金保険金にかかる税金の種類は契約者と受取人の関係によって異なります。

契約者と受取人が同じ場合

個人年金保険の契約者と年金受取人が同じ場合、年金保険金には雑所得として所得税がかかります。

契約者と受取人が違う場合

一方、契約者と年金受取人が違う場合、夫が保険料を負担して年金を妻が受け取るようなケースは少し複雑です。他人の支払った保険料で受け取る年金は、贈与によって受け取った財産とみなされます。しかし、毎年受け取る年金は雑所得として扱うためです。具体的には、1年目は年金受給権に対し贈与税がかかり、2年目以降は雑所得として所得税の対象となります。

収入保障保険の死亡保険金

年金形式で死亡保険金を受け取る収入保障保険の税制は、死亡保険金と年金保険金を組み合わせた形になっています。契約形態ごとにかかる税金の種類は次のとおりです。

収入保障保険の死亡保険金にかかる税金
契約形態 かかる税金の種類
契約者=被保険者
例)契約者:夫
被保険者:夫
受取人:妻
1年目:相続税
2年目以降:所得税(雑所得)
契約者=受取人
例)契約者:妻
被保険者:夫
受取人:妻
所得税(雑所得)
契約者≠被保険者≠受取人
例)契約者:妻
被保険者:夫
受取人:子
1年目:贈与税
2年目以降:所得税(雑所得)

なお、収入保障保険は死亡保険金を一時金での受け取ることも可能です。その場合の税金は、先述した死亡保険金と同じ税制になります。

契約者と被保険者が同じ場合

収入保障保険の契約者・被保険者が同じ契約での死亡保険金は、被保険者死亡時に年金受給権に対して相続税がかかります。受取人が被保険者の相続人である場合、非課税限度額の適用対象です。受取人が相続人でない場合には、非課税は適用されません。2年目以降は雑所得として所得税が課税されます。

契約者と受取人が同じ場合

収入保障保険の契約者と受取人が同じ契約の死亡保険金は、雑所得として所得税の課税対象になります。

契約者と被保険者と受取人がすべて違う場合

収入保障保険の契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合、被保険者死亡時に年金受給権に対して贈与税がかかります(110万円の基礎控除あり)。2年目以降は雑所得として所得税が課税されます。

受取に税金のかからない保険金

生命保険では受け取ったお金のすべてに税金がかかるわけではありません。ここでは、受け取っても税金のかからないお金について解説します。

医療保険・がん保険・介護保険の給付金

個人がけがや病気で受け取る生命保険からの給付金などは、金額にかかわらず非課税です。非課税となる給付金は、主に次のようなものです。

非課税で受け取れる保険金・給付金
  • 入院給付金 
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • がん診断給付金
  • 特定疾病(三大疾病)保険金
  • 先進医療給付金
  • 介護保険金

高度障害保険金

病気やけがで重度の障害状態になったときに受け取る保険金を高度障害保険金といいます。高度障害保険金の保険金額は、死亡保険金と同額です。高度障害保険金の受取には税金はかかりません。しかし、受け取った人が保険金を使い切らずに亡くなった場合、残った金額に相続税がかかります。

リビングニーズ特約による生前給付金

医師から余命6カ月の診断を受けた場合に、死亡保険金の一部を生前に受けとる特約を「リビングニーズ特約」といいます。リビングニーズ特約の生前給付金には税金はかかりません。しかし、受け取った人が給付金を使い切らずに亡くなった場合、高度障害保険金と同様に残った金額に相続税がかかります。

保険金にかかる税金の種類

保険の受取にかかる税金には、相続税、所得税、贈与税があります。それぞれの計算方法について解説します。

相続税

亡くなった人の財産を受け継ぐときにかかる税金が相続税です。相続税の対象となる死亡保険金は、「みなし相続財産」といわれます。保険金の受取人が被保険者の相続人である場合、非課税限度額(500万円 × 法定相続人の数 )までは相続税がかかりません。また、相続税には基礎控除という相続財産から差し引ける控除があります。基礎控除の計算式は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」です。死亡保険金の課税対象額とその他の相続財産の合計が基礎控除額を下回る場合、相続税はかかりません。

所得税

保険金にかかる税金が所得税の場合、一時金にかかる一時所得と年金にかかる雑所得があります。

一時所得

死亡保険金を一時金で受け取ったときの所得の区分は、一時所得です。保険金以外の一時所得がない場合、死亡保険金から、払い込んだ保険料と特別控除50万円を差し引いた金額の2分の1に対して課税されます。(一時所得の課税対象額:(死亡保険金-払込保険料-50万円)×1/2)

受け取った保険金が払い込んだ保険料より少ない場合、一時所得はゼロとなり、保険金に対する所得税はかかりません。また、保険金と払込保険料の差額が50万円以下の場合も、同様になります。一時所得は給与所得など他の所得との合計に対し税率がかかる、総合課税という課税方式です。

雑所得

公的年金や年金形式で受け取る保険金は、雑所得に該当します。その年に受け取った年金額からその年金分の支払い保険料を差し引いた金額が、保険金の雑所得です。契約者と受取人が同じで雑所得の金額が25万円以上の場合、保険金の雑所得の10.21%が所得税・復興特別所得税として源泉徴収されます。

贈与税

相続税は亡くなった人の財産をもらうときにかかりますが、贈与税は生前にもらった財産についてかかります。贈与税の基礎控除は、贈与を受ける人ごとに1年間に110万円です。

受取時に税金が少なくてすむ保険の入り方とは?

生命保険は契約形態によってかかる税金の種類が異なります。どの契約形態にすれば、かかる税金が少なくなるのでしょうか。死亡保険金の事例で試算してみましょう。前提条件は夫が死亡し、法定相続人が妻・長男・長女の3人で、相続財産が3,000万円、生命保険金が3,000万円の場合です。

生命保険に課税される相続税の計算事例

契約者・被保険者が亡くなった夫の場合、相続税の対象になります。

死亡保険金にかかる相続税
  1. 生命保険の非課税限度額:1,500万円(500万円×3人)
  2. 生命保険の課税対象額:1,500万円(3,000万円-1,500万円)
  3. 遺産総額:4,500万円(3,000万円+1,500万円)
  4. 相続税の基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人の数)):4,800万円(3,000万円+(600万円×3人))
  5. 課税遺産総額:0円(4,500万円-4,800万円)

この場合死亡保険金の課税対象額とその他の相続財産の合計が基礎控除額を下回るため、相続税はかからないことがわかります。

生命保険に課税される贈与税の計算事例

契約者が妻、被保険者が夫・受取人が長男の場合、贈与税の対象になります。

死亡保険金にかかる贈与税
  1. 贈与税の課税対象額:2,890万円(3,000万円-110万円)
  2. 贈与税額:1,035.5万円(2,890万円×45%-265万円)

保険金3,000万円に約1,035万円もの贈与税がかかってしまいます。

生命保険に課税される所得税の計算事例

契約者・受取人が妻、被保険者が夫の場合、保険金にかかる税金は所得税(一時所得)です。一時所得の金額は払い込んだ保険料によって変わります。払い込んだ保険料の合計によっては、一時所得がゼロになることもあります。仮に、支払った保険料が10万円の時点で夫が亡くなり、妻に保険金以外の所得がない場合の所得税を計算してみましょう。

死亡保険金にかかる所得税(一時所得)
  1. 一時所得の課税対象額:1,470万円((3,000万円-10万円-50万円)×1/2)
  2. 課税所得金額:1,277万円(1,470万円-48万円(基礎控除))
  3. 所得税額:267.81万円(1,277万円×33%-153.6万円)

このケースでは、所得税が約268万円かかる結果になりました。

贈与税がかかるのを避けたほうが賢明

3つの事例から、贈与税の税率は最も高いことがわかります。死亡保険金だけでなく満期保険金や年金保険金を受け取る契約も、贈与税がかかる契約形態を避けることが賢明な選択です。

まとめ

生命保険の契約形態によって受け取る保険金が減ることがあるとは、知らなかった人も多いのではないでしょうか。保障内容ももちろん大切ですが、「保険料を誰が払って、誰が受け取るか」についても考える必要があります。これから保険に加入する人は、この記事の内容を参考にしてみてください。

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