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リバースモーゲージはどこにデメリットがある?金利や対象から徹底分析

リバースモーゲージはどこにデメリットがある?金利や対象から徹底分析

老後資金不足や空き家問題の解消などに有効な対策として注目される「リバースモーゲージ」。自宅を担保にお金を借り、自身が亡くなった後に自宅を売却して返済する仕組みです。メリットもある反面、利用はデメリットやリスクをふまえて慎重に判断しなければなりません。

2021.10.05 損害保険

リバースモーゲージとは

まずは、リバースモーゲージの基礎から押さえておきましょう。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージはシニア世代を対象としたローン商品であり、自身の所有する自宅を担保にしてお金を借りられる仕組みです。借りたお金は、リバースモーゲージの契約者(借入人)が亡くなった時に、現金または担保となっている自宅の売却代金で一括返済します。亡くなるまで自宅に住み続けながら、自宅を現金化できるのが特徴です。

借入金の受取方法

借入金の受取方法には、毎月一定額ずつ受け取る「年金受取型」、まとめて一気に受け取る「一括受取型」、融資限度額の範囲内で必要なタイミングで受け取る「枠内自由引出型」があります。選択できる受取方法は、利用する金融機関や制度によって異なります。

借入金の返済方法

リバースモーゲージで借りたお金の返済方法には、契約終了時(借入人の死亡時)に元金と利息をまとめて一括返済する方法と、借入期間中は毎月利息のみ支払い、契約終了時に元金を一括返済する方法があります。

社会福祉協議会や金融機関が取り扱う

リバースモーゲージは、社会福祉協議会や金融機関が取り扱っています。それぞれ利用条件や借入条件、借入金の使途などに違いがあります。

社会福祉協議会の取り扱うリバースモーゲージ

社会福祉協議会が取り扱うリバースモーゲージは、低所得の高齢者世帯に対し、不動産を担保に生活資金を貸し付ける「不動産担保型生活資金」制度です。社会福祉協議会は、民間の社会福祉活動の推進を目的とした非営利の民間組織で、社会福祉法に基づいて各自治体(都道府県・市区町村)に設置されています。

不動産担保型生活資金は、非営利で低所得世帯の自立支援を目的とした制度であり、金融機関の取り扱うリバースモーゲージよりも低い金利で利用できるのが特徴です。ただし、収入が市区町村民税(住民税)非課税または均等割課税程度の低所得世帯といった条件を満たす人しか利用できないため、利用できる人は限られます。

不動産担保型生活資金の概要
対象者 ・借入申し込み者が単独所有する不動産に居住する世帯
・世帯の構成員が原則として65歳以上
・世帯構成が次のいずれか
①:単身、②:夫婦のみ、③:①または②と借入申込者もしくは配偶者の親が同居
・世帯員の収入が市区町村民非課税または均等割課税程度の低所得世帯(生活保護世帯等を除く)
対象不動産 ・賃貸借等の利用権および抵当権等の担保権が設定されていない
・土地の評価額がおおむね1,500万円以上の一戸建て住宅(マンション等の集合住宅は不可、貸付月額によっては1,000万円程度から)
貸付内容 ・貸付月額:30万円以内
・資金交付:原則3カ月ごとに交付
・貸付限度額;担保となる土地の評価額のおおむね70%
・貸付期間:貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
・貸付金利率:年3%または当該年度の4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低いほう
担保 ・不動産(土地・建物・私道)を担保にする(根抵当権設定、所有権移転請求権保全の仮登記)
・推定相続人の1人が連帯保証人となる(推定相続人が以内場合は要相談)
・推定相続人の同意が必要
貸付契約終了事由 ・借受人の死亡
・社会福祉協議会が貸付契約を解約したとき
・借受人が貸付契約を解約したとき
返済方法 契約終了から3カ月以内に元金と利息を一括返済

*出典:社会福祉法人 東京都車騎福祉協議会「不動産担保型生活資金 貸付のごあんない」

金融機関が取り扱うリバースモーゲージ

住宅金融支援機構と提携して民間金融機関が提供する「リ・バース60」や、金融機関が独自に提供する商品があります。社会福祉協議会の取り扱う「不動産担保型生活資金」に比べ利用条件は緩く、借入金の使途も広い商品が多く、利用しやすいのが特徴です。

住宅金融支援機構「リ・バース60」の概要
対象者 ・借入申込日現在で満60歳以上の人
・年収に占めるすべての借り入れに関する年間返済額(リ・バース60を含む)および年間支払額の合計が次の基準を満たす人
年収400万円未満:30%以下
年収400万円以上:35%以下
資金使途 ・本人居住用の住宅建設・購入資金
・住宅のリフォーム資金
・住宅ローンの借換資金
・サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
・子世帯などが居住する住宅の取得資金を借り入れるための資金
融資限度額 次のうち最も低い額
・8,000万円
・建設・購入に必要な費用
・担保評価額の50%または60%(満60歳以上・長期優良住宅以外)
融資期間 借入人の死亡時まで
*連帯債務での借り入れの場合、主債務者と連帯債務者が共に亡くなるまで
融資金利 取扱金融機関により異なる
担保 融資対象住宅および土地に対して金融機関を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定
保証人 不要
返済方法 元金:借入人全員の死亡時に一括返済または担保物件を売却して返済
利息:毎月支払い

*出典:住宅金融支援機構ホームページ「リ・バース60」をもとに筆者作成(利用条件や商品内容は取扱金融機関によっても異なる)

一般的な住宅ローンとの違い

自宅が担保になる点では、一般的な住宅ローンとリバースモーゲージは共通しています。一般的な住宅ローンは、一括でお金を借り、元金と利息を毎月分割で返済していきます。これに対して、リバースモーゲージでは一括または分割してお金を借り、借入期間の最後に一括で返済する点に違いがあります。

一般的な住宅ローンでは返済によって徐々に元金は減っていきますが、リバースモーゲージでは逆に元金が増えていきます。このことから「リバース・reverse(=逆)」という名前がついているのです。ちなみに「モーゲージ・mortgage」は、担保や抵当、抵当権付き住宅ローンという意味です。

リバースモーゲージを有効活用できるケース

リバースモーゲージには、次のようなメリットがあります。

リバースモーゲージのメリット
  • 自宅に住み続けながら、老後資金を調達できる
  • 借入期間中の返済は不要か、利息のみでよいため老後の負担を抑えられる
  • 相続人による一括返済または自宅の売却代金による返済のいずれかを選べる

これらのメリットは、次のようなケースで有効に活用できます。

自宅以外に資産が少なく、老後資金が不足しないか不安

持ち家はあっても、老後の生活費などに使える現金や預貯金などの資産が少なく、老後資金が不足しないか不安に感じている人も少なくありません。リバースモーゲージを利用すれば、自宅に住み続けながら現金化できるため、老後資金の調達に活用できます。

自宅を残す必要がなく、老後の暮らしを充実させるためにお金を使いたい

子どもがいない、すでに子ども自身も自宅を購入しているなど、自身が亡くなった後に自宅を引き継ぐ人がいない。このようなケースでは、リバースモーゲージを利用してお金を借り、そのお金を老後の暮らしを充実させるために使えます。

住宅ローンの返済負担を減らしたい

リバースモーゲージは住宅ローンの借り換えにも利用できます。リバースモーゲージであれば、借入期間中(=亡くなるまでの間)の返済は不要か、利息のみの支払いで済むため、負担は大幅に軽減されます。

晩婚化や住宅価格の高騰などにより、住宅ローンの完済年齢は年々上昇しています。収入の減少する退職後も住宅ローンの返済が続けば、返済できなくなるリスクは高まります。

借入時点で無理のない返済計画を立てるべきですが、計画通りにいくとは限りません。ローン返済が負担になってしまったときには、リバースモーゲージによる借り換えも選択肢として持っておくとよいでしょう。

老人ホームなどに入居を検討しているが、自分が生きているうちは自宅を手放したくない

老人ホームに入居する際にネックとなるのが、高額になりやすい入居費用の問題でしょう。リバースモーゲージは利用すれば、その費用を準備することもできます。

他に住む人がいないのであれば、すぐに自宅を売却してもよいでしょう。しかし、自身が老人ホームに入居した後も、配偶者が自宅に住み続ける場合や、自分が生きているうちは自宅を手放したくないという希望があれば、リバースモーゲージがひとつの選択肢になります。

リバースモーゲージのデメリット・リスク

リバースモーゲージはメリットも多い反面、注意すべきデメリットやリスクがあります。デメリットやリスクを十分理解した上で利用するかを判断し、解消できる問題点は事前に解消しておきましょう。

相続人となる人がいる場合は、借入人本人だけの問題ではありません。リバースモーゲージについて、その内容や自身の考えについて十分に説明し、相続人となる人の理解と同意を得ておくことも必須です。

担保にできる物件の条件が厳しい

担保にできる物件には条件があり、持ち家があるからといって誰でも利用できるわけではありません。

社会福祉協議会の取り扱う「不動産担保生活資金」は、担保となる土地の評価額がおおむね1,000〜1,500万円以上なければ利用できません。民間金融機関の取り扱うリバースモーゲージも、多くの商品で担保評価額1,000〜2,000万円以上の物件を対象としています。

マンションなどの集合住宅は、担保にできなかったり、より高い担保評価額が必要になるなど、利用条件は厳しくなります。一戸建てに比べ、担保価値の高い土地の割合が小さいことなどが要因です。

物件の所在地についての条件がある商品では、自宅が対象地域内になければ利用できません。

融資限度額は担保評価額よりも低く設定される

融資限度額は、一般的に担保評価額の50〜70%程度で設定されます。担保評価額も、実際に売買される金額の70%程度で評価された金額であるため、思ったよりも少ない金額しか借りられない可能性があります。

借入金の使いみちが限定される場合がある

借入金の使いみちは商品によって異なるため、希望する用途に使える商品を選ばなければなりません。

事業資金や投資資金を除き、使い道を問わない商品もある一方で、住宅金融支援機構の「リ・バース60」のように、使途が住まいに関する費用に限定されている商品もあります。

金利の上昇によって負担が増えることがある

リバースモーゲージには、変動金利が適用されます。借入期間中に金利が上昇すれば、利息が増えて融資を受けられる金額が少なくなったり、毎月支払う利息が増えるリスクがあります。

自宅の担保評価が下がると早期に返済が必要になるリスクがある

融資限度額は、担保評価額の50〜70%程度に設定されます。担保評価額は定期的に見直しが行われ、それに応じて融資限度額も変化します。担保評価額が下がれば融資限度額も下がるのです。もし借入額が融資限度額を上回ってしまうと、超過分はその時点で返済しなければなりません。手持ち資金で返済できなければ、予定より早く自宅を売却せざるを得なくなってしまいます。

借入額が多いほどリスクは高まるため、余裕をもった金額で利用することが大切です。

遺族(相続人)に負担を残してしまうリスクがある

融資限度額は、売却見込額よりも低く設定されているとはいえ、売却代金だけでは借入金を返済しきれないリスクがあります。

リバースモーゲージ型の住宅ローンには、「リコース型」と「ノンリコース型」の2つのタイプがあります。ノンリコース型は、売却代金が借入残高に満たない場合でも、遺族は残債を返済しなくて済むものです。その分、リコース型に比べて金利は高く設定されています。

本人が亡くなった後も配偶者が自宅に住み続けられるか

借入人が亡くなった場合に配偶者が契約を引き継げるかは、利用する商品によって異なります。契約を引き継げる商品でも審査があり、必ずしも配偶者が自宅に住み続けられる保証はありません。

配偶者が自宅に住み続けられなくなったときはどうするのか。その場合にいくらかかるのか。夫婦でリバースモーゲージを利用するのであれば、借入人が死亡した場合の対応についても事前に考え、対策をとっておきましょう。

団体信用生命保険には加入できない

リバースモーゲージ型の住宅ローンの契約者は団体信用生命保険(団信)に加入できません。団信は契約者の死亡時に残債の返済が免除される保険であり、契約者の死亡時に一括で返済を行うリバースモーゲージとは相容れない仕組みだからです。

まとめ

自宅に住み続けながら担保としてお金を借りられるリバースモーゲージは、自宅を有効に活用して老後の暮らしを支え、豊かにするひとつの方法です。

老後資金の不足や自身が亡くなった後の自宅の処分などに不安がある人は、リバースモーゲージの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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