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老後の「2000万円問題」とは?必要な金額と今から考えたい貯蓄についても解説

老後の「2000万円問題」とは?必要な金額と今から考えたい貯蓄についても解説

2021.08.03 終身保険

老後2,000万円問題とは、「年金だけでは老後の生活資金は足りず、老後生活の30年で約2,000万円の貯蓄が必要である」ことをいいます。2,000万円という大きな金額を今後どのように貯めていけばよいのか、そもそも2,000万円で足りるのかなど、老後2,000万円問題がきっかけで、老後のことを考え始めたという人も多いのではないでしょうか。   この記事では、老後に2,000万円の貯蓄が必要な理由やその算出方法、ゆとりある老後に必要な金額などについて、くわしく解説します。

老後2,000万円問題とは?

老後2,000万円問題が注目されたきっかけは、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書です。「年金だけでは老後の生活費は2,000万円不足する」という試算が発表され、足りない2,000万円分を「貯蓄」として自分で用意しなければならないということが報告されました。 今までは、老後は年金で生活できることが前提でしたが、実際に「生活に必要な金額」と「年金受給額」を比較すると、生活費、つまり出ていくお金のほうが多く、年金だけでは足りないという算出結果になっています。自分で用意すべきとされた貯蓄金額が「2,000万円」という、驚くような金額であったことから、老後2,000万円問題としてさまざまなメディアで大きく取り上げられています。

将来は年金受給額が減る可能性も

この報告書では現在の年金受給額を元に試算していますが、日本は現在進行形で少子高齢化が進んでいる状況で、年金保険料を納める若い世代が減っています。また、今後は年金を受給する65歳以上の世代は高齢化によってますます増えることが想定されます。 このようなことから、今後10年後、20年後に、今と同じような水準の年金をもらえるのかは、非常に不透明な状況だといえるでしょう。年金受給額が減ったり、インフレで物価が上昇して生活費が上がったりすると、今後は試算よりも不足額が増える可能性もあり、より多くの資金が必要となるかもしれません。

今後の老後資金は本当に2,000万円で足りる?3つの不安要素

老後の資金として2,000万円が足らないとされていますが、本当に老後のための貯蓄が必要なのでしょうか。老後の2,000万円問題と言われていますが、2,000万円は実現可能な目標なのかどうかも気になりますね。 ここでは、老後の生活や年金を取り巻く環境や、現在の状況について、おさえておきたいポイントを3つ解説します。

平均寿命が延びて老後期間が長くなった

厚生労働省の「簡易生命表」によると、男女の平均寿命の推移は以下となっており、年々平均寿命が延びて高齢化していることがわかります。

簡易生命表
和暦 男性 女性
令和元年 81.41 87.45
平成27年 80.75 86.99
平成17年 78.56 85.52
平成7年 76.38 82.85
昭和60年 74.78 80.48

また、2050年には女性の平均寿命は90年を超える見通しです。平均寿命が延びるということは「今後の老後期間がより長くなる」ことを表しています。 今後ますます高齢化が進むことで老後期間も長期化し、必要となる老後の資金もより増えることが想定できます。

退職金の支給が減少傾向にある

まとまったお金を受け取れる「退職金」は、老後の資金形成にぜひ活用したい方法です。しかし、近年は退職金の給付額が減る傾向にあります。また、退職給付の制度そのものがない企業も増えてきています。   厚生労働省による「退職給付(一時金・年金)の支給実態(2018年)」によると、退職給付がある企業は全体の80.5%にとどまっており、約2割の企業では、退職金が受け取れない状況であることを示しています。 15年前の2003年の調査では、退職給付制度がある企業は86.7%だったことから、退職給付がある企業が減少傾向にあることがわかります。また、35年以上勤務した人の、1人あたりの退職給付額の平均を比較すると以下のようになっており、退職給付金額も年々減る傾向にあります。

退職給付金額(35年以上勤務)
学歴 給付額(2018年) 給付額(2003年)
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 2,173万円 2,612万円
高校卒(管理・事務・技術職) 1,954万円 2,339万円
高校卒(現業職) 1,629万円 1,764万円
高校卒(現業職) 1,321万円 1,622万円

このように、退職給付制度がある企業が減り、退職給付の額も減少傾向にあります。今後は、退職給付に頼りすぎないような資産形成を考えていく必要があります。

働き方の多様化

近年は、個人の価値観やライフスタイルが多様化しており、さまざまな働き方を実践する人が増えています。今までの日本では終身雇用が一般的でしたが、よりよい環境を求めて転職したり、フリーランスのような自由な形態で働く人も増えています。また、今後もこの流れが続くことが予想されます。  ただ、自由な働き方をすることにより、個人の満足度は高まりますが、生涯賃金は低くなる傾向にあります。   例として、男性で「60歳まで同じ企業で働く人」と「同じ企業で働くとは限らない人」の生涯賃金の差(退職金は含めない)をみてみましょう。「ユースフル労働統計2019」によると生涯賃金のデータは以下のようになっており、同一企業で継続して働くほうが、生涯賃金が多くなっています。

生涯賃金の差
大学・大学院卒 高専・短大卒 高校卒
同一企業継続就業 約2憶8,900万円 約2億4,900万円 約2億5,500万円
同一企業継続就業とは限らない 約2億6,200万円 約2億780万円 約2億190万円

また、生涯賃金そのものも減少傾向にあります。「同一企業型の生涯賃金」を2018年と2000年で比較した結果は、以下となっています。

同一企業継続就業における生涯賃金の比較
大学・大学院卒 高専・短大卒 高校卒
2018年 約2億8,900万円 約2億4,900万円 約2億5,500万円
2000年 約3億520万円 約2憶8,070万円 約2憶7,600万円

このように、「働き方の多様化に伴い、現役世代の間に得られる生涯賃金が減りやすい傾向にあること」「デフレの影響で、生涯賃金そのものも減少傾向にあること」というふたつの理由から、今までよりも老後の資金を貯めにくい状況であることがわかりました。 現在の高齢者は、賃金が比較的多く、終身雇用制により退職金も多かった世代のため、貯蓄も多く、もらえる年金額も多くなっています。   しかし、現在は退職金の額や生涯賃金も減少傾向にあることに加え、少子高齢化により年金受給額が減る可能性もあります。これらのことを考えると、より意識的に、老後の資産形成をしなければならない状況にあるといえます。

老後に2,000万円が必要だと考える根拠は?計算方法や最新情報も紹介

老後2,000万円問題が話題になったきっかけである「金融審議会のレポート」では、以下のような条件で計算が行われています。

老後2,000万円の計算の前提条件
  • 夫65歳、妻60歳である
  • 30年後まで夫婦ともに健在である(老後として考える期間は30年)
  • 家計収支が毎月5.5万円の赤字である

家計収支が毎月5.5万円赤字となる根拠は、2017年の総務省の「家計調査」の調査結果が根拠となっています。レポートが発表された当時は2017年でしたが、2020年の家計調査の結果も出ていますので、両方の年を比較してみましょう。

老後の生活における毎月の収支状況
2017年 2020年
➀毎月の実収入 20万9,198円(社会保障給付は19万1,880円) 25万7,763円(社会保障給付は21万7,670円)
②毎月の支出 26万3,717円 25万9,304円
➀-② -5万4,519円 -1,541円

2017年は、毎月約5万5,000円の赤字となると算出されました。毎月の赤字額の30年分は、5.5万円×12カ月×30年=1,980万円となり、これが老後2,000万円の根拠となっています。   最新の2020年の家計調査によると、全体の実収入が上がって22万7,763円となっています。また、「社会保障給付以外の収入」は、配偶者の収入・事業や内職の収入、仕送り金となっており、毎月の生活費の赤字を埋めるために、働いて家計を補っている世帯も多いと考えられます。 「社会保障給付」と「支出」のみで考えて算出すると、やはり毎月赤字という算出結果になります。このようなことから、老後のための資金を用意しておく必要性は、やはり高いと考えることができます。

2,000万円あれば老後は安心できる?計算してみよう

一般的な老後の生活を送るためには、30年間で約2,000万円が必要だということがわかりました。しかし、最低限の生活ではなく、ゆとりある老後生活を送りたいと考える人も多いでしょう。 それでは、充実した老後生活を送りたい場合、どれくらいのお金を用意すればよいのでしょうか。詳しくみていきましょう。

ゆとりある老後の生活に必要な生活費はどれくらい?

老後の生活を考えるときには「最低限必要とされる日常生活費」と「ゆとりある老後生活費」のどちらを基準で考えるかによって、必要資金が大きくかわってきます。「公益財団法人 生命保険文化センター」によると、充実した老後生活を送るためには、毎月約36万円が必要とされています。   老後のゆとりのためのお金の使い道としては、以下のような回答になっています。

老後のゆとりのためのお金の使い道
  • 旅行やレジャー
  • 趣味や教養
  • 日常生活費の充実
  • 身内とのつきあい
  • 耐久消費財の買い替え
  • 隣人や友人とのつきあい

上記のような要素を日常生活に加えて老後を過ごしたい場合は、ゆとりある生活のための生活費である「36万円」を念頭において、老後の資産形成を考える必要があります。

国民年金と厚生年金はいくらもらえる?

日本年金機構による「年金 統計情報」によると、国民年金と厚生年金の支給額は以下のようになっています。

国民年金と厚生年金の支給額(令和3年)
令和3年度
国民年金(老齢基礎年金・満額) 6万5,075円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) 22万496円

それでは、この数値を使って必要な生活費を算出していきましょう。

必要な生活費と年金受給額の比較

厚生年金受給者である夫婦2人の場合、夫婦の年金受給額である22万496円から、ゆとりある老後生活に必要な「36万円」を引くと、13万9,504円の赤字になります。この毎月の赤字が30年続くと仮定すると、139,504円×12カ月×30年=50,221,440円となり、約5020万円の赤字になるという算出結果になります。  20歳以上60歳未満の自営業者や農業者とその家族などの「国民年金の第一号被保険者」は厚生年金を受給することができません。例えば、自営業者の夫婦の年金は国民年金のみとなるため、夫婦の国民年金受給額は13万150円と計算できます。  この13万150円から、ゆとりある老後生活費である36万円をひくと、22万9,850円の赤字となり、30年で約8,270万円が必要という算出結果になります。年金が国民年金のみという第一号被保険者は受け取れる年金額が少なくなるため、老後のための資産形成を、より真剣に考える必要があるといえます。

老後が20年より長くなる場合も!医療費や介護費用の備えも大切

老後の生活にかかる生活費をシミュレーションで算出してきましたが、もしもがんや脳疾患、心疾患など、大きな病気をしたときには、日々の生活費とは別にまとまった医療費がかかります。また、介護状態になったときには、介護保険を利用できるものの、毎月一定額を自己負担しなければならなくなります。 例えば、要介護5におけるサービスの限度額は39万4,800円です。年収に応じて、この費用の1割~3割、つまり3万9,480円~11万8,440円が自己負担分として毎月継続してかかってくることになります。  「厚生労働省の「医療給付実態調査(平成30年度)」によると、後期高齢者医療における1人あたり医療費は以下のようになっており、原則加入となる75歳以上では、75万9,907円となっており、年齢が上がるにつれて上がる傾向にあります。

後期高齢者医療における医療費
医療費 入院日数
75-79歳 約76万円 約8日
80‐84歳 約91万円 約12日
85‐89歳 約104万円 約19日
90‐94歳 約112万円 約25日
95‐99歳 約118万円 約31日
100歳以上 約116万円 約35日

また、1日当たりの入院日数も年齢とともに上がっています。老後における医療費の負担は大きくなると想定されるため、事前に保険に加入したり、貯蓄をするなどして対策を立てることが大切です。

老後2,000万円問題に備えるための資産形成の方法

老後を安心してむかえるためには、最低でも約2,000万円、ゆとりある老後を過ごしたい場合は、5,000万円近くが必要になることが算出結果によりわかりました。しかし、このような大きな金額を、利息がつかない預金だけで貯めていくには限界があります。 家計への負担を抑えつつ、老後に向けた大きな金額を貯めていくには、運用を行い、効率的にお金を貯めることが大切です。それでは、老後資金をつくるためにおすすめの運用方法を3つ紹介します。

NISA

NISAとは、株式や投資信託の運用益が非課税となる、税制優遇の制度です。国が国民の投資を後押しするために2014年1月から始められた制度で、非課税枠は年間120万円です。 NISAで株式や投資信託に投資をすると、本来であれば売買益や配当にかかる約20%の税金が非課税となります

iDeCo

iDeCoとは、加入が任意の私的年金制度です。国民年金や厚生年金に加えて年金を積み立てていきたいという人が、任意で加入をし、自分で金融商品を選んで運用までを行います。iDeCoもNISAと同じように、本来ならば利益にかかる税金が非課税となります。   ただし、年金以外の目的のために使ってしまうことを防ぐため、原則60歳以降しか引き出すことができません。そのため、iDeCoを利用する場合は、長期の運用資金を使って投資をすることが大切です。

終身保険

終身保険は、一生涯の保障を持てる保険です。例えば、死亡・高度障害保険金が1,000万円の終身保険に加入すれば、自分が亡くなるまで一生涯保障が続きます。そして、死亡や高度障害になったときには、遺族が必ず1,000万円を受け取ることができます。   また、終身保険には解約返戻金(保険を解約したときに戻ってくるお金)があるため、支払った保険料がたまっていくという特徴もあります。加入時年齢にもよりますが終身保険に加入して一定の期間が過ぎると、解約返戻金が払込済保険料総額を超えるケースもあり、資産を運用するのと同じような効果が期待できます。   保険を使って運用をすると、万が一のときには遺族が保険金を受け取ることができ、健康で長生きした場合は、解約返戻金を自分のために使う、という2つのメリットを享受することができます。保障を備えながら資産運用ができるということが、終身保険の大きなメリットです。

外貨建て終身保険や外貨建て変額保険

外貨建て終身保険や外貨建て変額保険は、払い込んだ保険料が外貨で運用される商品です。米ドルや豪ドル、ユーロ建てのものなどがありますが、特に世界の基軸通貨である「米ドル」で運用する商品が多くなっています。 一般的には保険料はその時の為替レートに基づいて、円で支払います。また、保険金や解約返戻金は基本的には外貨で受け取ります。どちらも貯蓄性があり、高利回りで運用できますが、外貨建て変額保険は株式で運用するため、より積極的な運用益を狙っていくことが可能です。 ただ、その分リスクも大きくなるため、商品の特徴をよく理解しておく必要があります。

まとめ

老後は年金だけでは生活が厳しくなることが予想されるため、老後までに2,000万円の資金を自分で貯めていく必要があります。また、ゆとりある老後を送りたい場合は、2,000万円では足りず、約5,000万円ほどが必要となる計算です。   近年は賃金や退職金の額も減少傾向にあるため、低金利下の預金だけで資産形成をすることは難しいといえます。NISAやiDeCo、終身保険や外貨建ての保険など、老後の資金形成のために活用できる方法がありますので、自分に合った運用方法を見つけて、効率的に老後資金を貯めていくようにしましょう。

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